1960年代の済州、詩を書くことが世界で一番素敵なことだと信じる少女「オ・エスン」と、そんな彼女を黙って見守る少年ヤン・グァンシクが育っていく。過酷な環境の中でも夢を育んでいたエスンは、ソウルの大学に行って詩人になろうとするが、現実は冷酷だ。家父長的な秩序と貧困、女性という理由で制約される人生の中でも、エスンはひるむことなく自分の声を書き綴っていく。グァンシクは、そんなエスンを生涯にわたって一途に見守り、寡黙な愛と共に「鉄のような」純愛を見せる。エスンは、母を失い、結婚し、子供を失い、二人の子供たちと孫たちを育て、詩人として成長するすべての過程をグァンシクと共に経験する。今ではすべてを悟りきったような表情でお互いを見つめ、二人は言う。「それでも、僕たちはこうして生きてきたんだから、おつかれさま」